Nonkunのブログ

主にゲーム関係について書いてます

 続・手探りの携帯ゲーム機

とにかく今はPSP不具合祭りで大変な状態なので、DS・PSPから生まれる携帯ゲームの可能性についてまともに語れる状況ではないですね。不具合に関しては「ちゃんと作れよ」としか言いようがないので、製品として最低限の基準をクリアしないことにはどうしようもない。

今回のDS・PSPがこれほど盛り上がった背景としては、ゲームに対する人々の強度が未だ衰えていなかったことに起因するのではないだろうか。ゲーム業界は確かに縮小傾向にありゲーム離れを叫ばれて久しいが、それは完全に飽きて見向きもしなくなったからではなく、買いたい物が無いという需要と供給のバランスが成り立っていないことが原因だろう。

客の欲求を0から引き出すような業界から見れば、グルメになり舌が肥えてはいるが、えさを探して常に回遊している魚で溢れている釣り堀のようなゲーム業界はうらやましくてしょうがないだろう。純粋に面白いものを目指すことができる仕事なんてそうそうない。だからみんな一度は夢見る。面白いゲームを作る夢を。それが近年の辛口ユーザーが増えた原因でもあるのだが。

2機を比べれば、相変わらずのゲーム特化型DSとゲーム以外の可能性を秘めたPSPというGC・PS2の構図をそのまま再現したような形だが、今回の土俵はあくまで携帯ゲーム機。そもそも携帯という行為自体が環境を限定し特化された機能を求められているのだから、据え置き機ほどのアドバンテージはPSPにはない。

ただ、携帯ゲーム機という名称ではあるが、実際は外で遊ぶという機能よりもどこでも遊べるという性格のほうがユーザーに求められる。TVと本体とコントローラーを強いる据え置き機では実現不可能な、旅先でのひとときや入院中、渋滞の車中、またこれが一番多いと思うが、TVを見ながら携帯ゲームで遊ぶというシーンで用いられることが多い。TVを占領するという家庭での侵略行為を控えることができるのは、AV機器メーカーとしても魅力的だろう。

機能としてはタッチパネル・マイク・無線LANUMDメモリースティック・USB接続などおよそ考えられる仕掛けは出揃った感がある。比較的わかりやすいDSに比べて、PSPが秘めたポテンシャルは時間をかけないと開花しないが、次世代PSとの連携は明らかで、『どこでもいっしょ』とポケステの関係を発展させたものや、簡易なレベル上げをPSPで行い、据え置き機につないで続きをプレイするなど少ない時間を有効に活用するような方向性も考えられる。

それにしても今回DSが2画面タッチパネルというサプライズをやってのけたことには本当に頭が下がる。ともすれば守りに入りやすい王者が挑戦者を上回る冒険に打って出たことは市場を活性化させた。だからこそ、PSPの王道と言っていい高性能が生きた形になったのだ。据え置き機での危機感が任天堂を奮い立たせ、ウォークマンでの成功とipod人気に押された悔しさが、価格をはるかに上回るオーバースペックの携帯ゲーム機を作り上げた。

まだまだ、夢を見ることは可能だと証明されたのではないだろうか。