Nonkunのブログ

主にゲーム関係について書いてます

RPGがなぜやりたい?

ソースを忘れたが、次世代機で最もやりたいジャンルはRPGらしい。

この結果は納得しやすい。売れているゲームの大半がRPGだと印象だけでそう思える時代が長く続いた結果でもある。実際にドラクエ・FFは発売からこれまで販売記録を塗り替え売れ続けてきたからだ。

しかし、ご承知のように、もはや映像・処理速度において不必要なほど(ネット閲覧・word使用でpen4を積んでいるような)高性能化したマシンで、いったい何を望むというのか。結局アンチFF派がいうようなムービーだけのゲームというやつが大量に出回るだけではないか。まあ、そうだろう。しかしそれを望んでいるのも事実なのだが。

RPGというジャンルは結局「なんでもアリ」というジャンルである。これまでのシューティング・アクション・シミュレーション・サウンドノベルなどのカテゴリが無意味になって久しいが、これは球を早く投げるやつと、棒きれで球を打つやつと、球を捕るやつがそれぞれ独自の練習をしていたからに過ぎない。その中で様々な技術が生まれ天才的なプレーヤーも生まれたが、彼らがひとつのゲーム、つまり野球をしたときに何万人という観客が熱狂するスポーツに生まれ変わるように、ストーリーと結びつけたゲームは世界観を生み出すと同時に奥行きと広がりを与えられ、目的を明確にする。

RPGとは結局ゲームの総称、またはゲームの本質を表現しているだけの話であり、現にそうである。もちろんバッティングセンターで打っているだけで楽しい人を否定するわけではないが。

これから例えば天才的なクリエイターが出てきて、これまでにないゲームというやつが生まれたとしても、それが独創的であればあるほど僕たちはそのゲームを楽しむことができない。ゲームはなぜこれほどまで独自性を要求されるのか。そのようなものがなぜ必要なのか。また独創的なブロック消しゲームを遊ばなければならないのか。

形式というのは進化の停滞ではなく飛躍のための足場であり、行く先を照らす光でもある。好きなように育てられた子供は結局何にもなれない。それならまだ、いい大学へ行っていい会社に入ったほうがましだ。


RPGが遊びたいというユーザーの気持ちはいったい何を望んでいるのか。

まだまだ、ドラクエ・FFの輝かしい思い出が言わせている部分も多いだろう。しかし、そこに面白い物語を読みたいという、しかも楽しみながら読みたいという欲求が大きく支配していることは想像に難くない。確かにブロックを消すことも面白いし、需要もあるだろう。ゲーム学校に通っている学生の作品より面白ければ売れるかもしれないが、これからはお菓子やアイスの付録として生き残る(つまり販促用のおまけのように)だけかもしれない。

ネット上に同人ゲームはいくらでもあるが、売れるのはサウンドノベルばかり。昔はいわゆる美少女ゲームというカテゴリで売れていたのかも知れないが、最近はストーリーで勝負する作品も少なくない。それがメジャータイトルを食ってしまうのは、ストーリーには金がかからないからだ。もちろんこれは皮肉で、いくら金をかけてもいいストーリーは書けないという裏返しだが。

これだけマンガ・アニメ・ライトノベルが普及している中で、確実にゲームだけは衰退し続けている。難しいとかわかりにくくなったとかいうような次元ではない。完全なアイディアの停滞であり、枯渇なのだ。

じゃあ誰が面白いゲームを提供してくれる? 誰が遊ばしてくれるんだ? …多くのゲームファンは残念ながらゲームを作るという作業をこれまでしてこなかった。それはどうすればいいかわからなかったし何が面白いのかもわからなかったからだ。真剣に作ろうと思えば思うほど億劫になる。生きるためには働かなければならず、そのために他の作業をする労力が失われる。悪循環のなか歳だけは取る。青年の思いは遠い記憶として過去に埋没しようとしている。

マンガやライトノベルはやっぱり敷居が低いのだろうか。ゲーム制作に携わって欲しい人材はどんどんそちらに流れていく。分業の中でクリエイターの顔が見えなくなったゲーム制作ではどこかのラインに存在することが夢を叶えるための条件なのか。それではいい会社のサラリーマンになれと言った教師や親と同じではないか。いや、同じか。このような考え方自体が青いか。


僕もやっぱり思う。面白いRPGがやりたい。ただし、別に次世代機じゃなくてもいい。ケータイでもいい。マンガよりもアニメよりもライトノベルよりも面白い体験がしたい。結局、これができなければゲームはお終いである。これができなければゲームはマンガ・アニメ・ライトノベルの販促用のおまけである。実際そうなりつつある。もちろん、職人らしくそこに生き甲斐を見つけることもできるだろう。しかし、そうなった瞬間何か大事なものをクリエイターは失う。

まだRPGがやりたいと思ってもらっている間に、何かないか。